プライド

「相対的な自信」は百害あって一利なし

つまり、「誇り」とは、他者からの評価とはまったく関係がない「絶対的な自信」であり、「傲慢」は肩書や身分を根拠に、自分を誇大表示して見せようとすることである。結局のところ、他者からの承認や評価に依存して得られるものであり、他人と比較したときの優位性に基づく「相対的な自信」ということになる。こちらのほうは百害あって一利なしということなのだ。

「良いプライド」は謙虚さを伴う。職人が、現状に満足せずに、つねに高みを目指し、より良いものを作り続けようとする姿はこの典型だろう。一方で、自分を進化させていく努力をやめ、他者との競争や、他者からの承認によって自己の存在意義を求めようとすれば、そこには最終的に、空虚さと孤独しか残らない。

人は案外、まがい物のプライドにとらわれやすいものである。人を解放し進化させるプライドか、人を閉じ込め退化させるプライドか――。そのプライドの真贋を見極めておく必要があるだろう。

引用

https://toyokeizai.net/articles/amp/254044?page=3