ボチボチ生きるしかない

その通り、なのだが、限界まで努力せざるも得ない。その時に思い出したい。

今の時代、無理をしても、何も助けてくれる後ろ盾はありません。会社員として働く方の場合、仕事は会社にいる間だけにすることが、心身の健康を保つことにつながります。通院している患者さんの中にも、オンオフかかわらず仕事をし続けて体調を崩してしまっている方がよくいます。そういう方には、思い切って、生産性が落ちてきた時点で休職してもらいます。

休職に入るべきであることをお伝えすると、「会社からの評判が心配」「出世に響いてしまう」と心配される方も多くおられます。

けれども、生産性がだいぶ落ちてきている時点で、その人にとって限界なのです。それは言い方を変えれば、自分の人生を見つめ直すときがきた、ということ。

人生という長いタームからすれば、休むという選択肢はとても有用なものです。

限界まで働いて、いよいよ毎日出勤することもままならないような状態になってしまった人が、仕事を思い切って休んでみると、人生の価値観、優先順位が変わってくる、ということをよく経験されます。

倒れる前までは、仕事は堂々の1位にランクイン、2位から10位までも全部仕事で、11位ぐらいにようやく自分のプライベートが出てきたのが、仕事とプライベートと家族が、同列1位の状態にまでなったりします。人によっては逆転する人もいます。

人生の優先順位が変わってくると、「家族のことを犠牲にしてまで仕事してるなんて残念だな」と感じるようにもなります。そして、今まで「有休取るなんてとんでもない!」と思っていた人が、家族のために、「有休取ります」と堂々と言えるようになったりするのです。

体調を崩しがちになったら、精神的に限界にきていることに気づきましょう。「自分の生きがいや心身の健康を犠牲にしてまでやらなければいけないものって、あるのだろうか?」と、自分の心に聞いてみてください。

https://president.jp/articles/-/29153?page=4
より引用。